【花材図鑑】③フジ(藤)

いけばなレッスン

春から初夏にかけて、風に揺れるように垂れ下がる「フジ(藤)」の花。あしかがフラワーパークや亀戸天神社などは、藤の名所として有名で、4月下旬にかけて見頃になり、多くの観光客が訪れています。
その繊細な房状の花と、なめらかに曲がる枝ぶりは、いけばなの中でも動きを表現する花材として重宝されます。

基礎情報

  • 和名:フジ(藤)
  • 英名:Wisteria
  • 学名:Wisteria floribunda
  • 出回り時期:4月~5月(春〜初夏)
  • 原産地:日本、中国、朝鮮半島
  • 香り:あり(甘く芳醇)
  • 特徴:つる性植物。花は長く垂れ下がる房状で、淡紫を中心に白やピンクも存在。枝はやや繊維質でためにくい。

特徴

線(Line):垂れ下がる花房が生み出す縦の流れ

藤の花は自然に垂れ下がるため、縦方向の流れや“重力”を表現するのに最適

色(Color):淡紫〜白の優雅なグラデーション

紫のグラデーションが美しく、白やピンクの品種も存在。涼しげで上品な印象を与え、季節感が明確。

塊(Mass):細やかな花の連なりが生む柔らかな塊感

花房は、小花が連なる構造。繊細な花が集まることでやさしいボリューム感をつくり出す。

フジ(藤)のいけかた参考例

線/塊:垂れ感を活かし縦構成を作り出す

藤の花の最大の魅力は、重力に従って下垂する花房。その特徴を活かして、花器の高い位置から自然に垂れさせ、風に揺れるような構成が効果的。

色:淡い花材と組み合わせて、透明感を醸成

藤は同系色や白・水色などと合わせることで、春から初夏の涼感ある作品に仕上がる。ガラスや金属の花器とも相性が良い。

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