力強さと柔軟さを併せ持つ「ハラン」。
艶やかな葉と自在な形作りは、いけばなの基本花材として重宝されます。
今回は、ハランの特徴といけ方を整理します。
基礎情報
- 和名:葉蘭(ハラン)
- 英名:Aspidistra
- 学名:Aspidistra elatior
- 出回り時期:通年
- 原産地:日本・中国南部
- 香り:なし
- 特徴:幅広く光沢のある葉。厚みとしなやかさを併せ持ち、曲線・折り・巻きなど自在な造形が可能。
特徴
線(Line):幅広い葉を曲げたり切ったりして線として使う
しなやかで折れにくく、ためることも巻くこともできる万能な花材。直線・曲線ともに表現できる。また切ることで新たに線を作り出すことも可能。
色(Color):深緑で艶あり
濃い緑が作品に重厚感を与える。単体でも存在感があり、他花材との色の引き締めにも効果的。
塊(Mass):面を活かして塊感を出せる
広い葉を重ねたり巻いたりして、視覚的な「塊」や「焦点」をつくることが可能。裏表の色の違いもポイントに。
ハランのいけかた参考例
線:折りや曲線を活かし、横長構成に動きをつける
ハランの柔らかい葉を曲線状に折り、横長に展開することで、流れるような線を演出可能。折り癖をつけてリズムを出すとより魅力的。
淡い花材と組み合わせてコントラストをつける
深緑のハランは、淡い色の花材と相性抜群。艶のある緑が淡色の花を引き立てる。
巻きや重ねで面を作り、視線を集める
葉を巻いて立体感ある造形を作ることで、作品に中心を生み出せる。大小の葉を重ねて動きと奥行きを与えるのもテクニックの一つ。