本記事では、いけばなの基本構成である「線」と「塊」をテーマに、一つの花材でそれを表現した作品例を紹介します。
目次
コツ①:線と塊を表現するのに適した花材を見つける
線の選び方
- 枝が細い
細い枝は空間の中で繊細な線を描きやすく、軽やかな印象を作るのに適していますし、線の曲がりなどにも目が行きやすくなります。 - 直線的ではなくて曲線的
緩やかなカーブや曲がり持つ枝は、1本1本が個性的で独特な表情を持っているので、線を表現するのに向いています。
塊の選び方
- 葉や花が大きすぎない(密集できる)
大きな葉や花は形がばらけやすく塊を作りづらいため、ある程度の小ささと密度のある素材を使うことで、まとまりのある塊が生まれます。 - 花については、小さい花が集まっている形のものがベター
一つひとつは小さくても、集まって咲いている花は視覚的にまとまりが生まれ、塊として扱いやすくなります。線との対比もつけやすく、構成が引き締まります。
コツ②:葉や枝を大胆に整理し、線と塊を強調する
- 線を見せるために大胆に整理する
花材本来の線を活かすためには、不要な葉や枝を思い切って取り除くことが重要です。過剰に残すと線の動きが見えづらくなりますので大胆に整理してみましょう。 - 枝を切るときに、切り残しがないようにきれいに切る
剪定の仕方一つで印象が大きく変わります。切り口が乱れていたり、小枝が中途半端に残っていたりすると、作品全体が雑に見える原因になります。 - 他の花材を入れるときは、線と塊の邪魔をしないようにする
主となる線や塊を引き立てるために、存在感の強い花材は量や位置を調整し、構成全体を壊さないように配慮します。今回の場合アマリリスは横に添える形でいれています。
赤が線、青が塊です。
今回の花材(イエロージャスミン、アマリリス)
- イエロージャスミン
線材として使用。柔らかくしなやかな枝が曲線的な動きを描き、作品全体に軽やかな流れを作り出します。黄色い小花も明るく、春の季節感を添えています。 - アマリリス
花が大きくまた線も太いため、イエロージャスミンとの対比で、脇役的にイエロージャスミンと被らない形で設定。
まとめ
一つの花材で、線と塊を表現するには、まず花材選びが大切です。その上で、大胆に花材を整理することで、メリハリのついた作品に仕上がります。是非チャレンジしてみてください。